只今、人気のトランクルームです

紙切れに走り書きするとどこかへ紛失してしまうので、必ず『わが家のリフォーム計画』と題して、1冊のノートに書き留めます。 それが、のちのち効いてくるのです。
また、業者に要望を伝えるときも、「シンプルにしたい」とか「キッチンをプロヴァンス風にしたい」と自分の描いたイメージで伝える方が多いのですが、たまたまその業者がわかってくれればいいのですが、そうでない場合は要望は正確に伝わりません。 そんなときに、先の『わが家のリフォーム計画』が役立つのです。

自分がイメージする雑誌の切り抜きやチラシ、マンションのモデルルームの展開図や写真を見せましょう。 業者との打ち合わせは、情報が多くて困ることはありません。
ぜひ、近所のクチコミ情報に加えて、具体的で視覚に訴えることのできる資料をお持ちになってください。 テレビ番組で行っているリフォームについて、私かよく聞かれるのが「あれは本当に2日間でできたの?たった20万円でできたの?」ということです。
皆さんは絶対2日間ではできないと思っていらっしゃるんですね。 少しだけ舞台裏を紹介すると、準備(下見、構成、材料集めなど)は1週間前ぐらいからはじめるし、実際のリフォーム作業は2日間といっても、徹夜に近い状況のときもあるので、これはかなりの重労働なんです。
それを、仕上げてしまうところが、この番組のプロジェクトのすごいところです。 費用については、その家のご主人にも棚やテーブルをゴツゴツと手づくりしてもらっているので、人件費がかからないのを前提に、あくまでも購入した材料費だけの金額を提示しています。
企業から無償で提供していただいた材料代は入っていません。 また、リフォームをすると、必ず照明器具、カーテン、観葉植物などの備品も新しくしたくなるので、当然それらの費用もかかってきます。
工事のほうは、ガス・水道・電気などの工事費に加えて、要所要所で大工さんや水道屋さんなどのプロの方にお願いしているので、その費用がかかります。 何といっても短期のリフォーム作業は人海戦術なので、ことのほか人件費がかかります。
ですから実際にかかっている費用総額は、テレビで紹介している金額(材料費)とは違うと思っていただいて間違いないでしょう。 また、私自身のアドバイス料金も入っていません。

ですから、私はいつも「人を使ってあの金額でできるなら、私か頼みたいぐらいよ」と言っています(笑)。 実際に1回でもリフォームをしたことのある人なら、あんなに安い金額でできるはずがないことはすぐにわかっていただけるのですが、なかにはあれを鵜呑みにして依頼される方もあるので、反対に驚くこともあります。
テレビに出る金額は材料費だけですよ。 ここ数年はリフォームが大人気ですが、皆さんのなかには「なぜこんなにブームになったの?」と思っている方もあるでしょう。
つまりこれまでは、リフォームはすべて業者任せになっていたのが、同じリフォームをするなら「今までは諦めていたけど、要望を出せば叶うところがあるし、棚やテーブルなどの物づくりも自分の手でできる!」と気づかれた面が大きいからではないでしょうか。 テレビでも水まわりなどのプロにお願いする場面を除いては、何でも自分の思うようにできるんだということを見せていますから、希望を持たれる方も多いのだろうと思います。
これまで「リフォームはプロしかできないもの」と思われていましたが、今、私がやっているのは、主婦の思いを細かく聞いて、希望を形にするリフォームなのです。 たとえば、リフォームを建築家に頼んだらデザイン料が高いとか言われていますが、よくある、工事を請け負い、そのまま丸投げして違う業者に下請けさせて、手数料を2割ぐらい取っている場合もあるので、どうせ同じ予算をかけるんだったら「ああしてほしい、こうしてほしい」と要望を出してつくってもらったほうが、本当の自分の家作りができます。
「1階に何部屋、2階に何部屋ほしい。 あとはすべてお任せします」は、過去のリフォームの発注の仕方です。
最近は建築家をインターネットのコンペで選んで、施主さんとの間に立ってコーディネイトする会社もできたと聞きますが、果たして、実際の家=「現場」を見ていない人たちに的確な判断ができるのでしょうか?私はいつでもどこでも現場主義なので、現場を見ないとイメージが浮かびません。 現場を見てはじめて「ここからはこういう景色が見えるのか」と認識したり、「同じ出入り口でもこちらにあるほうが自然よね」と、アイデアをふくらませるのです。
だから、実際に自分か見ていないものを図面で判断することには違和感があります。 私かこういう考え方をする理由は、どうしてもその家の主婦の立場で考えるからで、「自分だったらどうしてほしいか?」という視点がリフォームをするときの原点なのです。
逆に言えば、「自分だったらこんなことをされたら嫌だな」と思うことは絶対にしたくありません。 ついでに言えば、一般の家庭だけではなく、店舗のオーナーにはとくに相手の立場に立った目線がほしいところです。
「自分が客の立場だったら、その店に行きますか?」と。 商売をしている方なら、「客の目線を大事にしてほしい」ということです。
お客様から見ておかしなことは、絶対に支持されません。 某大手デパートが、従来〈売り場〉と言っていたのを、客の目線に立って〈買い場〉と変えたそうですが、そういう発想が大事なんですね。

今まではすべての商品が「こんな物をつくりましたが、どうでしょう?」というつくり手側からの提案ばかりでした。 そうではなくて、これからは「お客様がどんな物を望んでいるか」ということを考えて商品づくりをしてほしいのです。
これは家のリフォームでも同じことだと思います。 商品開発でも家のリフォームでも、頼りになるのは奥さんや近所の主婦の意見です。
不思議なことに、男性は自分の身のまわりの女性のことはお客様としては念頭にないらしく、大手企業の男性ほど「今どんな商品が主婦に喜ばれますか?」と尋ねてこられますが、私はいつも「あなたの奥さんの意見が一番たしかですよ」とお答えすることにしています。 奥さんだけでなく、お母さんや会社の女性社員に聞くと、一番シビアな声を聞くことができます。
リサーチ会社に調査を依頼しても、型どおりの回答しか返ってきませんが、奥さんなら「この流し台のここが少し平らだったらいいのに」「この位置に切り替えのスイッチがあると便利なのに」などと、生活者としての生の声を聞かせてくれます。 本当は商品モニターなんか要りません(リサーチ会社の方、ごめんなさい)。
リサーチ会社のモニターは謝礼がいいので、私もよく座談会に参加しましたが、経験から言うと、アンケート調査で語られるのはあくまでもよそゆきの言葉であって、大まかな意見を聞くことはできますが、本音を聞くことは難しいのではないでしょうか。 リフォームはまず、家のなかで多くの時間を過ごす人の意見を優先しましょう。
実際のリフォームでも、家に一番長くいる人の要望を取りあげれば、きっと満足のいくリフォームができると思います。

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